2011年7月19日火曜日

40歳からの子作り(その1)・・・高名な不妊治療医からの衝撃の言葉

スピード婚を振り返ると、一つ大きな勝因が思い当たる。
付き合い初めてすぐのこと。私ははっきりと宣言した。
「私、もう遊んでいられる年じゃないので、結婚する前提じゃないと付き合わない」
「それと、子供が欲しいので、なるべく早く結婚したいと思ってる」

40歳過ぎの晩婚だから、こんな潔く明言できたのかもしれない。
3ヶ月ぐらいお付き合いして、徐々にお互いのことを理解して・・・なーんていう
悠長なことは言っていられないのだ。
でも、結果は、この”はっきり”が正解だったのだ。

彼もすぐさま、「じゃあ、結婚しよう」と言ってくれたのだ。

そんなわけで、アラフォー女子で未婚の友人に言う。
「結婚するつもり、子供が欲しい、ということをはっきり言う。
 それでうろたえるような男性とはつきあわない。そうじゃないと時間の無駄だよ」と。

最初から、お互いの認識がすりあっているから、楽だった。
40歳と49歳の中年夫婦。こんな2人が子供を授かるには、何をすればよいか???
早速、妊娠・出産に関する書物を読みあさった。
すでに先に妊娠・出産を経験していた弟の奥さんからも、様々なアドバイスをもらう。
食事・栄養の工夫、生活習慣の改善、そして高齢出産を成功するための高度不妊治療の実態などなど、一気にいろんな情報を収集した。

毎朝の野菜・果物ジュース、玄米食、ビタミンサプリ、甘いものはとりすぎない。
身体を冷やさないために冷たい飲み物はやめる、好きなビールもほどほどに。
毎日30分以上のウォーキング、ストレッチなどなど、
妊娠しやすい身体作りのためにできる身近なことはすぐに始めた。

結婚して3ヶ月ぐらい経過したころ、
お互い若くない。念のため産婦人科で検査をしてもらおう、ということになり、
千駄ヶ谷にある有名な高度不妊治療の産婦人科に足を運んだ。

メディアにもよく出てくる、高名な産婦人科医に言われた衝撃的な言葉はこうだった。
「40歳と49歳のお二人に、普通に子供ができる可能性は宝くじに当たるようなものですね」

私たちは、「えっ???」と顔を見合わせた。ほんとに驚いた。
「でも、40代の女性でも、妊娠してる方はいますよね」と私が聞くと
「はい、いますけど、自然に妊娠できる方はほとんどいません」と言う。
「でも、私の周りには、自然妊娠している友人もいますが・・・」
「まれにはいますね。でも確率はとても低い」

まだ私たちは血液検査など、不妊原因を突きとめるための検査すらしていない状態だったのに。
いきなり「自然妊娠は宝くじに当たるようなもの」と言われ、本当にショックだった。

「個人差はないのでしょうか?」と引き続き疑問を投げかけた。
「ありませんね。40歳以上の女性は卵子が1年ごとに、どんどん劣化します。個人差はありません」

個人差はない、ときっぱり言われた。
本当にそうなのだろうか?
ショックと疑惑の念にかられたまま、その医者の部屋を後にし、妊娠カウンセラーとやらの肩書きの女性に別室に連れて行かれた。そこでは、体外受精による妊娠率のグラフやら、高度不妊治療のさまざまな資料を一気に見せられ、早口に一方的に説明を聞かされた。
「宮本さんは40歳ですから、今なら体外受精をすれば、可能性があります。2年、3年経ってから後悔しないためにも、早く決断されることをお薦めしますよ」

まるで、不動産屋の押し売りのようだった。
今ならお得。今買えばあなたは有利。今を逃すと大変な損をする・・・。
そんな脅し半分の営業トークを、どの程度プロなのか?わけのわからない肩書きの女性から
続けざまに浴びせられた。辟易した。傷ついた。そして憤慨した。

彼も同じ気持ちでその病院を後にした。
ここの医者には二度とかかるまい。
しかし、「宝くじに当たるようなもの」といわれたショックは大きかった。
本当にそうなのかなという不安な気持ちに苛まれ、数日は悶々・・・。

その後、”宝くじショック”について、弟に打ち明けたところ、すぐに別の産婦人科を紹介してくれた。弟夫婦が第一子を出産した、神奈川にある自然分娩派の池川クリニック。
すぐさま、藁をもすがる思いで、弟夫婦も付き添いのもと、池川先生に相談に出向いた。

池川先生は、宝くじ問題も含め、私たちの簡単な話を聞いたあと、こう言った。
「大丈夫ですよ。赤ちゃん、授かりますよ。お二人も健康そうですから」
実は、ここでもいわゆる検査はまだ何もしていない状態だった。
彼には前妻との間に2人子供がいる、という事実を話すと、
「あーそれならご主人は大丈夫でしょうね」とのこと。
私に至っては、見た感じ。健康そうだから。という医者らしからぬ、直感コメントのようだった。

何となく、腑に落ちない表情の私たちを見ながら、次はこう言った。
「じゃあ、ダウジングをしてみましょう」
私の手をとり、丸い石をひもでつるしたものを掲げ、なにやらつぶやいている。
神様と交信?でもしているのか。
これって、いわゆる、コックリさん?
やがて、私の手を離して、にっこり微笑んで
「あー、赤ちゃんきますよ。今年中にくると言ってます。女の子のようです」

はあ?

「当たるんですか?それ」と私が笑いながら尋ねると
「けっこう当たるんですよ-。でも、当たった人しか来てないのかもしれないですけどー」
にこにこと仏様のような大らかな笑顔で、そう言うのだ。

ダウジングで赤ちゃんを予言してくれた産婦人科医の池川先生。
医院を後にし、彼や弟夫婦と歩きながら、
「しっかし、不思議なお医者さんだったねー」と思い起こしながら、
でも、なんだか明るい気持ちで帰路についた。

「大丈夫です。40歳と49歳だって、まだまだ十分可能性ありますよ」
ダウジングして、私たちに赤ちゃんがやってきてくれるって言ってくれた。
事実、あまりに根拠の無いアドバイスではあったが、あまりに非科学的だとも思ったが、
それでも、私は十分に救われる思いがした。

まだ、間に合う。妊娠できる可能性はあると・・・。
徐々に宝くじショックから立ち治れそうな気がしてきた。

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